英語力アップ

大学生に英検はいらない?

英検の資格自体より、学習プロセスに価値あり

英検があったからアメリカまで行けた

巷では、英検が役に立たないという人もいる。実際、「英検○級があれば採用」といった場面は限られる。ただし、英検合格を目指して学習するプロセスには、大きなメリットがある。実際に、私が英語を勉強し続けることが出来たのは、英検があったからだ。

【私が英検をオススメする理由4選】

  1. 勉強する範囲が限定的(準1級まで)
  2. 準1級を取るとTOEFL550点が射程距離に入る
  3. モチベーションが保ちやすい
  4. 二次面接では、より英語を頑張ろうと思える

勉強する範囲が限定的(準1級まで)

私は英検3級、準2級、2級、準1級、1級を受験し、現在は1級を取得している。どの級も勉強が大変だった記憶があるが、振り返ってみると、英検準1級までは英検の過去問と単語帳のみで合格出来ている。(補足:中学英文法の本1冊は必要。また、英語の音声は1日6時間位は聞き流していた。)こう聞くと、英検は簡単のように思えるかもしれない。しかし、実際に英検の過去問を解いたり、単語帳に取り組んだりするのは想像より単調で退屈な作業だ。多くの人は、この単調さに断念してしまうだろう。私自身、集中力が5分しか続かなかった。しかし、5分勉強出来れば問題ない。おすすめの勉強法は、5分の勉強の合間に、英語の漫画を1ページ挟み、また5分勉強するという方法だ。詳細は「圧倒的学習量を生むツール」で紹介している。

圧倒的学習量を生むツール

冒頭にも書いたが、英検1級に関しては、過去問だけでは刃が立たない。しかし、英検準1級に合格できるレベルまで到達すれば、1級合格のためには、どんな事を勉強すれば良いか自ずと分かってくる。心配は不要である。


準1級を取るとTOEFL550点が射程距離に入る

逆に言えば、TOEFL550点を目指すには、英検準1級レベルの英語力がベースとして必要である。しかし、準1級はスタートラインに立ったレベルと思った方が良い。TOEFL(アカデミック)では、英語圏の大学で講義を受けられるかどうかを判断されるため、さまざまな分野の英単語が出題範囲となり、準1級までの限定的な学習ではカバーしきれないしかし、TOEFL550点を目指す基礎力をつけるには最適な試験であるため、留学を検討している人は英検準1級に挑戦してみてほしい。私は大学入学時には、英検準1級を持っており、4月に入学すると同時にTOEFL530点を目標に英語学習を開始した。学習の成果を得られ、同年11月には目標スコアを超え550点を取得。長期のアメリカ留学を全額奨学金で実現させた。特記したいのは、この8ケ月間の大学の講義で、英語の科目は半数以下であったことだ。大学1年生はフル単位を取ったが、英語以外の基礎科目が多く、講義の時間の全てを英語に充てることは出来なかった。言い換えれば、限られた時間の中でも、目標スコアに到達するチャンスはあると言うことだ。英米科の学生であれば、ほとんどの講義を英語系で固めることによって、TOEFL550点取得の勝率が上がる事は言うまでもない。

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モチベーションが保ちやすい

英検の良いところは、級ごとに区切りがあることだ。その点が、スコアベースのTOEICやTOEFLとは違う点である。厳密に言えば、英検に関しても「合格」「不合格」の判断に合わせて、スコアが表示されるように改訂がされた。しかし、ここは「合格」出来れば良しとしたい。語学学習は、得てして壮大になりやすい。言ってみれば、永遠に終わらない持久走に近い。そのため、モチベーションの維持が大きなネックとなる。その点、英検は自分の努力が「合格」という目に見える形で体現される。また、目標の級に「合格」出来ると、次の級も受けたくなるものだ。まさにdopamine juiceのサイクルである。ここまで辿り着くことが出来れば、「英語学習=つまらない」から抜け出すことができる。加えて、英検に合格出来ると、単純に嬉しい。英語学習が報われる瞬間である。

二次面接では、より英語を頑張ろうと思える

英検は3級以上は、一次試験(筆記・リスニング)に合格すると、二次試験として面接を受ける必要がある。私は英検の二次面接が好きだ。何故なら、毎回、面接官の「何とかこの子を合格させてあげたい」という気持ちが、すごく伝わってくるからである。準1級までは、日本人のみの面接官だったが、面接官たちも過去には英語学習者であったと思う。英語学習の大変さを知っているからこそ、受験者への優しさが滲み出るのだと思う。また、英検1級の時には、面接官は2人で、アメリカ人男性と日本人女性だった。実はこの日の午後、英語のスピーチコンテストの予選を控えていた。実を言えば、前日の夜7時に暗記したスピーチの英語の原稿について、ゼミの先生からご指摘を頂き、夜中の1時までかけて原稿を半分以上書き直し、出来上がった原稿をアメリカ留学中に現地で知り合った友達に頼み、時差を利用して校正してもらう、という事があった。日本時間の朝7時に校正して貰った原稿をメールで受け取り、そこから午後2時に行われる予選までに原稿を覚える必要があった。英検1級の二次面接は朝9時からで、家から2時間の場所にあった。面接の際、睡眠不足とダブルのプレッシャー(面接とスピーチコンテスト)の事を話すと、アメリカ人の面接官が、私に対して共感してくれたことが分かった。自分の努力が認められた気がして、ともて嬉しかった。それだけではなく、「面接に受かったような気がする」と言う予感と、英検1級までの長い道のりを振り返り、「ようやくここまで来た」と言う気持ちで胸が一杯になった。大学に向かう電車を待ちながら、思わず泣いてしまった。一つの区切りが付いた瞬間であった。その英検1級の面接は無事に合格し、スピーチコンテストの予選も通過、後日開催された本選では優勝することが出来た。



英検準1級までは、出題範囲が限定的で、単語帳と過去問で戦える。英検準1級はTOEFL550点を目指す上で必要なスタートラインと言える。英検は級ごとに区切りがあるため、合格する度に成長を感じられ、英語学習のモチベーションを保つことが出来る。英検二次面接では、面接官とのやり取りも楽しみの一つ。もっと英語を頑張ろうと言う気持ちになる。

【思い出の一枚】

真冬の湖でのアイスフィッシング。日本で言うワカサギ釣り。生物学の先生主催の体験だった。先生によると、氷の厚さが30cmを超えると、氷上を車が走っても割れないらしい。その日は物理学の先生と、その息子さん、他に4名の学生が参加した。
私の住んでいた地域は平野であったため、真冬には冷たい雪を含んだ風が大荒れに吹いた。寮はオートロックのため、鍵を忘れると締め出されてしまう。一瞬外に出るだけだと言って、ダウンコートを持たずに外に出ることは危険で、携帯と鍵を持たずに外に締め出されてしまったら、死んでしまうだろう思った。

 

 

ABOUT ME
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大学3年生の時、奨学金でアメリカ長期留学を実現。経済、ビジネス、芸術などを学ぶ。春、秋ともに留学先の大学で学部長賞を受賞。英語スピーチコンテストで優勝経験あり。現在は企業に就職し、翻訳、通訳を含む業務に従事している。 学生時代の英語スコア ◾️TOEFL550(大学1年次) ◾️TOEIC915(大学3年次) ◾️英検1級(大学4年次)