「英文エッセイの課題で良い点数が取れません」
アメリカに住む、現地の大学生と同じ講義を受ける「本科留学」を考えている人の多くは英米科の学生さんかと思います。もし、皆さんが英文エッセイが上手く書けなくて悩んでいるなら、エッセイに必要な基本スタイルを覚える事で、改善が期待出来ます。エッセイは、留学先でも避けては通れないものとなります。また、エッセイを通して書く力を養う事は、話す力の向上にも繋がります。
「書く力」を育てる
- エッセイの構成を知る
- 引用の重要性
- 語彙を増やす
- 文法ミスや誤字脱字にはオンラインサービスを使用(Grammarly:無料版)
- 音読で最終チェック
1.エッセイの構成を知る
英文エッセイは「導入部分」「本文」「結論(サマリー)」で構成されています。上級者では、英文スタイルを崩して書かれる事もありますが、まずは基本の形を1つ覚えれば十分です。特に、交換留学生として本科留学に行く場合は、皆さんが大学3年生であっても、高い確率で大学1年生のクラスで基礎科目(ライティングなど)を学ぶ事になると思います。そのため、エッセイの構成をアレンジするよりも、基本の形を一つだけ持っておき、あとは中身で勝負する方が無難です。筆者はこのスタイルで、アカデミックライティングの成績はA評価でした。
エッセイの構成
- 導入
- 本文
- 結論(サマリ)
実際に書いてみると、こんな感じになります。(難しく考える事はありません)
【書き方例】
今日は○○について考えます。私は○○は○○であると主張します。何故なら〜〜だからです。
○○によれば〜〜という研究内容が発表されています(引用元記載)○○が主張するように私は〜〜だと思います。
一方で⚫︎⚫︎だと主張する意見もあります(引用元記載)確かにそうかもしれません。しかし〜〜という観点から考えると
この主張を裏付けるエビデンスには〜〜という視点が不十分では無いかと思います。したがって私は、○○は〜〜であると考えます。
今日は○○について述べました。私の主張は〜〜です。何故なら〜〜で〜〜で〜〜だからです。
ありがとうございました。
実際に英文エッセイを書く時には、ワード数の目安によって、ボティ(本文)の量を調節します。100ワード程度の場合、ボティに入れられる引用は1つか2つが限度になるかと思います。また、500ワード程度のエッセイを求められた場合には、ボティを3つに分けて書くと書きやすいです。引用には、信用できる引用を選びましょう。最も信頼できるソースの一つは、実際の書籍(電子書籍版でも可)です。他に有名な新聞社の記事や、学術論文も有効です。ただし、学術論文の場合には、学生が書いた論文もあるため、どの記事から引用するのかは、よく精査した方が良いです。また、引用する記事はできれば直接持ってきた方が良いです。例えば別の誰かの引用をしている部分を、自分の引用として使用する場合、直接引用とは言えません。その分、引用の信頼性は下がります。
引用の書き出し(一例)
ここでは引用の書き出しを紹介します。いつも使う引用の書き出しは暗記してしまいましょう。これらの書き出しを書けるようにしておくことは、最もコスパの良い暗記の一つです。引用はディスカッションの際にも使えますし、英検のエッセイ対策にもそのまま使う事が出来ます。
according to 〜
it is stated that 〜
it is important to consider 〜
As stated in ○○(資料のタイトルなど)
筆者は在籍していた大学の英語系の科目は全てS評価(在籍校で最高評価)で、留学先のアカデミックライティングのコースもA評価(留学校での最高評価)でした。現役時代に活用していた英語学習サイトは、ライティングの添削とスピーキングの練習が出来るものと、24時間いつでもオンライン英会話のできるサービスを利用していました。英語はとにかく毎日、出来れば24時間、書いて、話して、聞くことが大切です。私が利用していた2サイトですが、コスパと内容の良さから選んでいました。1点少し残念な点はネイティブ講師は予約が取れにくかったり、割高だったりする事です。しかし、価格を優先させるなら割り切ってしまうのが良いです。それに、ネイティブの音声ならインターネットでも大学の図書館にある語学CDからでも無料で入手出来ます!それよりもライブ授業ではアウトプット×回数に価値を置き、どんどん英語を話して行くのが上達の最短ルートです。
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2.引用の重要性
アカデミックな英文エッセイには引用が欠かせません。自分の主張をサポートするために、説得力のある引用を見つける必要があります。引用を見つける方法は紙の書籍、電子書籍、学内データベース、インターネット(google scholar等)があります。インターネットで検索する方法は、時間のない時には時間短縮にもなり、本文などをそのままコピペ(出典は必ず掲載)をする事ができ便利です。しかし、私がお勧めする方法は書籍から引用する方法です。これは、将来留学した際に出される大量の課題に対応するためと、TOEFLの試験で限られた時間内で重要な部分だけをスキャニングする力を育むためでもあります。また、大量の洋書を読むことで、さまざまなスタイルの文章を知ることができ、エッセイの質も向上します。先にお伝えしておきたいのは、アメリカの課題は量が多い、という事です。私の派遣された大学では、1週間に同じクラスが2〜3回あり、「次回のクラスまでに24ページを読み、必要な部分には注釈を書き込み、グループディスカッションができるようにしておいて下さい」というものがありました。次のクラスまで賞味1日しか無いような状況です。科目によってはもっと宿題が多いこともあるかと思います。こう聞くと、短時間でそんなに多くのページを読めないのではないかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫です!1Pずつ、じっくり精読する必要はありません。まずは7割理解できる優しいレベルの洋書から読んでみましょう。卒論は別ですが、通常の課題で出されるエッセイ課題では、エッセイの構成と、主張から結論までが一貫して筋が通っているかを見られる傾向にあります。そのため、引用元が優しい内容のものであっても問題にならない事が多いです。心配なら、担当教諭に確認しましょう。どの研究室でもオフィスアワーには学生の質問を受け付けてくれているはずです。ここで、そこまでする必要があるのか?と思った方もいるかもしれません。結論を言えば、必要です。先生とのコミュニケーションは優先しましょう。先生が学生に求めている事を知る事が出来れば、そこに焦点を当てたアプローチが可能となります。より少ない時間で、相手の求める基準に達する事が出来れば、それだけ別の事に時間を使用する事が出来ます。留学の切符を手にするまでは、1秒でも有効に使いましょう。
3.語彙を増やす
まずは1冊、単語帳をやり切りましょう。大丈夫!覚え方のコツはあります。例えば、形容詞の最後に -lyを付けると多くの場合副詞になります。(一部例外あり)単語の成り立ちを考えながら覚えれば、語幹の意味を捉えることで、そこから派生した別の品詞もセットで覚える事が出来ます。ただ、これはある程度自分の中に英単語のストックがある場合に有効だと考えます。始めの内は、単語帳は力ずくで進めましょう。ただし、将来より簡単に単語を覚えられるようにするために、今日からでも優しいレベルの洋書を乱読して、英語単語に慣れて行くと良いです。大量の英文を読むことによって、形容詞、名詞、副詞の置かれる位置が何となく分かってきます。そうすると、単語の位置から、その単語の品詞を推測出来るようにもなります。これはとても重要な要素で、文中の空白に正しい品詞の単語を選ぶ問題がTOEFLでも出題されます。まずは、どんどん洋書を読みましょう。その際、声に出して読むと効果的です。また、アカデミックライティングを書く時には、同じ単語の繰り返しは避け、別の単語に言い換える(シーソラス)、あるいは表現を変える(パラフレーズ)する事が推奨されます。これらを心掛ける事で、自然と言葉のボキャブラリーも増えて行きます。余談ですが、業務マニュアルなどの翻訳には、言い換え表現を避け、簡潔に同じ言葉で表現する事が望ましいです。用途によって英語を使い分ける必要があります。
4.文法ミスや誤字脱字にはオンラインサービスを使用(Grammarly:無料版)
私が現役時代、実際に使っていたのがGrammarlyです。無料版、有料版のどちらも利用していました。このGrammarly、大変優秀でスペルミスや文法の間違いを教えてくれます。更に有料版では「相手が分かりやすい表現に書き換え」「剽窃チェック」「より自信のある文章に変換」「説得力のある言葉に言い換え」などの機能が追加されます。自分で書いた文章で、Grammarlyが修正してくれるレベルの訂正を、先生にして貰っていては勿体ないです。皆さんの年間の学費を考えて見て下さい。先生には先生にしか出来ない指導をして頂くためにも、自分で出来る準備は済ませておくのがベストです。ただし、Grammarlyを100%頼るのは良くありません。最終的に、自分が理解できない文法を提案してきた時は、自分の分かる英語で、別の表現にする(パラフレーズ)を行い、修正します。余談ですが、アメリカ人教授のメール文をGrammarlyで確認してみた事があります。訂正箇所が幾つか出てきたのですが、これは「より自然な英語」についてはGrammarlyの守備範囲である事を物語っています。文法的には正しくないけど、みんなが使っている表現が沢山あることも覚えておくと良いです。
【Grammarly公式ページ】
私は留学中〜卒業までの2年間は、Grammarly有料版(Pro)を利用していましたが、無料版でも大丈夫です。プランの選択画面では「Free(無料版)」を選びましょう。

4.音読で最終チェック
書き上がったエッセイは、音読をして最終チェックを行います。特に冠詞が忘れやすいです。また「〜, 〜 and 〜」などのように単語を幾つか並べる時は、単語の形を統一します。例えば語尾にingが付く動名詞を利用するなら、3つとも動名詞にしましょう。似たような働きがあるからと言って、to 不定詞を間に入れないようにします。ここで、音読に自信が無い方のために、英文読み上げサービスを提供しているNaturalReaderを紹介しておきますね。私は無料版しか使った事はありませんが、十分機能してくれていました。音声は人物イメージ画像一覧から、自分が好きな声を選ぶ事が出来ます。こちらのサービスは、英語のプレゼンテーションや、スピーチコンテストに出場する際にも活躍してくれました。
【NaturalReader公式ページ】
「For Personal Use(無料版)」でOK
https://www.naturalreaders.com/webapp.html

書く力を伸ばすには、次の5つの要素にアプローチする。
- エッセイの構成を知る
- 引用の重要性
- 語彙を増やす
- 文法ミスや誤字脱字にはオンラインサービスを使用(Grammarly:無料版)
- 音読で最終チェック